HOME >  読みもの >  エッセー > 

初めて飲んだ「寒茶」の話

初めて飲んだ「寒茶」の話

茶の花

皆さんは「寒茶」ってご存じですか?きっと昔は、日本の各地で作られたであろう素朴なお茶ですが、今では愛知県足助町や徳島県宍喰町など、ごく一部の地域のみで作られているお茶です。

「寒茶」は、大寒の時期に限って作られる日干し番茶。春の新芽を摘まず伸び放題にした枝を折り、枝ごと大きな蒸し器に入れて蒸し、天日で 干して仕上げたお茶で昔から身体に優しいお茶として飲まれてきたそうです。

何でも、防寒のために、お茶の木は秋から同化澱粉と多糖類を葉の中に多く貯えるため、「寒茶」は普通の番茶より甘みがあるとか。

  1. 葉を蒸す写真
    写真は、愛知県足助町で寒茶づくりを見学したときのものです。
    枝ごと収穫したお茶を、そのまま蒸し器に入れて蒸します。
  2. 蒸し上がったら、樽から茶葉をどっとあけて、広げます。
    蒸したお茶の枝は、ちょっと降るだけで茶葉がはらはらと落ちます。降って落ちない葉も、手で触れると簡単に取れます。
  3. 葉を干す写真
    こうして蒸し上がった茶葉を、あとは天日で干すだけ。これででき上がりです。
    徳島県の宍喰町の「寒茶」は、蒸したあとに軽く揉むようですが、足助町の「寒茶」は全く揉まずにそのまま干すそうです。
  4. 煎れたお茶の写真
    でき上がったお茶は、湯飲みに取ってみると、ご覧のように淡い茶色。
    飲んだ味は、ちょっと青臭く、素朴な甘みがほのかに感じられました。

ちょっと前までは、あちこちにお茶の木が植えてあって、自分の家のお茶は自分の家で作っていたそうですが、この寒茶のような作り方をしていたのかもしれません。

自宅のベランダで育てている鉢植えのお茶の木からでも作れるかもしれない。来年の大寒の頃に作ってみよう。そんなことを思いながら、寒茶をおかわりしていました。

HOME /  ↑TOP
BACK[見聞録「石鎚の黒茶」] /  NEXT[美味しかった国産紅茶